2023年10月11日水曜日

越谷のだるま抱き招き猫


埼玉県越谷市の練りもののだるま抱き招き猫です。
赤ら顔がかわいい、とても小さな猫、江戸小物玩具の「鈴幸」でつくられたもので、練りものとは、桐などの木粉に糊を混ぜて練り固め、乾燥させ彩色して仕上げた人形のことを指します。
ねこれくと」によると、鈴幸の初代は、浅草の江戸小物玩具店で修行した鈴木幸之助(1988年没)で、浅草小島町で雛人形の頭づくりを専業としていました。関東大震災後に越谷に転居しましたが、取引のあった吉徳の奨めで練りもの人形と張り子人形を制作するようになりました。
小豆粒ほどの極小雛から犬張り子、達磨、蛸などをつくり、戦後は輸出用の小さな練りものをつくっていましたが、売れ行きが悪くなってからは達磨もつくるようになりました。


現在も、鈴幸は練りものと犬張り子を制作していますが、生地づくりは岩槻の木目込み人形の生地店に依頼し、彩色だけをしています。
鈴幸は店舗ではなく卸問屋で、縁起物店や土産物店に人形を卸す以外に、神社に授与品として卸しています。


「ねこれくと」を見ていて、この招き猫も鈴幸製と知りました。
現在では、鈴幸では挙げた手が離れた招き猫はつくってないそうです。


ところで、この練りもの2体は、どこでつくられたものでしょう?
「ねこれくと」に掲載された店舗内の人形の棚の写真を見ても、これらの招き猫の姿は見えませんでした。
左の猫は右手を挙げているので、鈴幸の猫ではなさそうです。右の猫は、垂れた目と、鼻や口元に刻みがあることが気になります。


後ろの2匹の猫たちも、いつか正体がわかって欲しいものです。


右後ろの招き猫2匹は、鴻巣の練りものです。
前列の越谷の猫2匹は、こうやって比べてみると江戸の香り、というか浅草の香りがするようです。
だるま抱きの高さは4.5センチです。







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