骨董市で、最近は水屋さんのお連れ合いも店を出していることが多くなりました。並べて店を出しているのに、別々に訊かなくてはなりません。
「財布は別だからね」
と、いつもにこにこゆったりと座って、客としゃべっている水屋さんの横で、お連れ合いはせっせせっせと忙しそうにものを並べたり、並べ替えたり、手を休めません。「財布は別だからね」
扱うものは着物や布が中心のお連れ合いですが、すず竹の文箱を2つ並べていました。大きい文箱は無傷、小さい文箱は藍染めの絣や縞など3種類の布を貼って、3カ所を補修してありました。
布はどれもきれいな藍の色、布で補修するときは針と糸で綴じつけるものと思っていたので、貼るなんてちょっと斬新でした。
内側には、和紙が貼ってありました。
値段を訊くと、
「壊れていますよ」
とお連れ合いさん。もしかして、藍染め布が飾りだと思う人がいるのかしら?
「知ってます。補修してあるものが好きなんで」
と、いただいてきました。
我が家には、もう少し大きい、すず竹の文箱があります。
これには、捨てられない手紙などが入っています。そして、小さい文箱に入れるものも、もう決めています。それは、
今まで、ビニール袋に入れていた、カンボジア滞在中の3年間に私が両親に送った手紙です。
母が取っておいたこの手紙、まだ一度も読み返していません。まずは文箱に入れて近くに置き、いつか読んでみたいと思っています。
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