2024年4月17日水曜日

竹の鳥笛


身体が木で、笛部分が竹でできた鳥笛です。


箱根土産、パテントナンバーの書かれた焼き印が押されています。


何のパテントかと言うと、鳥のとまっている竹の前後を、指で押さえたり離したりすると、ただ吹くだけだとピーピーとしか鳴かない鳥が、ホーホケキョとさえずるというパテントのようです。ちょっと吹いてみましたが、前後の指の使い方で、低くこもったような音も出るので、熟練するとウグイスそっくりに吹けるのかもしれません。
目がきょろきょろして、くちばしが赤い鳥の、
「どこがウグイスじゃい?」
と思いますが、竹には花が描かれているので、「梅に鶯」のつもりでしょう。


ネットで箱根土産の鳥笛を見つけました。
進化したと思われるこちらはもうウグイスそのもの(じつはメジロですが)で、焼き印は赤いくちばしの鳥笛と同じです。
立体的に彫って、下くちばしとお腹は別の木をはめ込み、目は貼りつけるという手間を全部省いて、ウグイスはただの板になっています。一目でウグイスと知れるので、梅の絵も描かれていません。


ネットで見ているといろいろあって、笑ってしまいました。
焼き印のないこの鳥笛、焼き印のある鳥笛の前身を真似したものと思われますが、どこから見てもウグイスからは遠くかけ離れています。


板になった鳥笛を真似したものもあり、焼き印は「おみやげ」だけですが、後ろの箱を見ると「箱根みやげ」と読めます。
ということは、上の赤い鳥も下の赤い鳥も、箱根の、すぐ近くのお土産屋さんが真似て、さすがにウグイス色にすることはできなかったので赤い色を塗ったものなのでしょう。
世の中には、工夫する人と真似る人、2種類の人がいるのかと、鳥笛で人の生き方を考えた私でした。





 

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