2023年6月23日金曜日

タイの釣瓶

もう何年か前ですが、西表でつくられている、クバ(ビロウ)の葉の釣瓶(つるべ)をネットで買ったことがありました。
仕上がりがあまりきれいでなく歪んでいて、何だかがっかりするものでした。


どうしても気に入らず、解いて、重なりすぎていた部分を取り除いてみましたが、思ったようにはなりませんでした。


ちゃんと水に浸して柔らかくして作業したかどうか、ずいぶん前のことで忘れてしまいましたが、材料が固く突っ張り、せめて左右対称にできたらと思ったのですが、うまく形が取れませんでした。もしかしたら、緑のうちに形をつくってしまわないと、乾燥してからは無理だったのかもしれません。
あまり見たくなかったので、ずっと棚の高い、見えないところに置いたままでした。

先日、籠屋さんのホームページを見ていたら、タイ南部の釣瓶を見つけました。昔持っていたけれど、失くしてしまった釣瓶です。手に入れない手はありません。


届いてみたら、うっとり、これぞ私の思い浮かべる釣瓶にぴったりの美しさです。


上から見て、左右もしっかり対象でした。


そうそう、両側とも取っ手の下はへこんでなくてはならないのに、クバの釣瓶はどうしてもへこまなかったのでした。


その昔、沖縄本島のお店で小さなおもちゃのような釣瓶を見たことがありました。
「タイのと同じだ!」
とびっくりしたのですが、なぜ買わなかったのか?
土産物サイズだったからか、やっぱり美しくなかったからか、家にもう持っていたからだったのか、昔のことで覚えていません。


タイの釣瓶はニッパヤシ製との説明がありましたが、それはありえないでしょう。


クバ(ビロウ)の葉は、パルミラヤシ(オウギヤシ)同様、うちわ型をしているので釣瓶をつくるのに適しています。


でも、ニッパヤシの葉は葉柄に細い葉が並んでいて、釣瓶にして水汲みにするには無理があります。

時間があるとき、もう一度、クバの釣瓶を分解して、固い部分を切り取って、直してみたいと思います。うまくできない予感がするけれど。




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